犬の種類

近年は血統書付きの犬を見かける機会も多くなりましたが、犬の品種は約300種類くらいあります。元来、犬と人間とのつき合いは古く、狩猟・採集生活をしていた頃よりともに暮らしてきたといわれます。狼が祖先といわれていますが、その長い付き合いの中で、愛玩犬はより小さくかわいらしく、狩猟犬はより速く機能的に、使役犬は重労働にも耐えられるように改良され、現在まで品種が広がってきました。犬の一般的な分類方法は以下のように分類されています。

愛玩犬
ぬいぐるみのような愛らしい姿のトイ・プードルや、毛が短く独特の風貌をしたイタリアン・グレーハウンドなど、本来は大型の犬種を改良した犬も多い、日本の場合は住宅事情もあって室内犬は小型犬の需要が多く、マルチーズ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなどの小型愛玩犬種の人気が高くなっています。

鳥猟犬
美しい姿と人懐っこさ、賢さで圧倒的な人気を誇るゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバーも元々は狩猟犬です。レトリーブとは回収するという意味で、人が撃った鳥を回収してくれる犬です。湖や池の中にも泳いで行って、獲物を上手にくわえて運ぶことができます。同じ狩猟犬でもポインターやセッターはストップ犬と呼ばれ、獲物を見つけたら鳴かずに場所を知らせてくれることができます。

作業犬
警察犬や盲導犬、海難救助犬がこれに分類されます。狩猟以外のさまざまな作業や労働に従事する犬で、忠実で頑健です。優れた嗅覚を犯罪捜査や人命救助に生かすジャーマン・シェパードは代表格です。盲導犬ではラブラドール・レトリバーが多く、ヨーロッパの山岳地帯では、雪山で遭難者を捜すセント・バーナードが有名です。ほかにも、海難救助で活躍するニューファウンドランド犬やそりを引くアラスカンマラミュート、シベリアンハスキーなどがいます。

牧羊犬
ボーター・コリーが有名で、日本では牧羊犬はあまり馴染みがありませんが、牧羊、牧畜で用いられる犬種で、一糸の乱れなく羊たちを監視、統率することができます。牧羊犬の行動はほとんど本能的なものだといわれ、2頭の犬がペアになって、100頭以上の羊を監視することができます。そのほかにはシェルティも牧羊犬で、ジャーマン・シェパードももとはドイツでつくられた牧羊犬です。

小型獣猟犬
テリアは土を掘るという意味のラテン語です。もともと土中や岩穴に住んでいた狐や穴熊、ウサギ、野鼠、カワウソ、イタチ、モグラなどの小害獣を駆除するために利用された犬種です。ヒゲの紳士のような顔をしたミニチュア・シュナウザーもこのタイプです。現在ではテリア種は、ほとんどの国で愛玩犬に近い存在になっています。

獣猟犬
狩猟を単独で行なう犬種で、嗅覚獣猟犬と視覚獣猟犬の2タイプがあります。かつてのヨーロッパの社交界では鹿やキツネ狩が大流行し、たくさんの品種が生まれました。日本原産犬の多くは獣猟犬で、分類上は嗅覚獣猟犬に属します。

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